昨年11/15に、足立区中川東小学校で出張授業を行いました。
テーマとしてカメを中心にペットを含めた外来種問題をとりあげました。身近なペットが、生物多様性を減少させてしまう一因ともなってしまう現状やその問題に関して国際会議COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が日本で開催されたといった話題を取り上げました。大人でも時には難しい内容ではありますが、普段の授業では触れることがないであろう、研究者による話題、ということであえて取り上げました。

教頭先生に今回の授業内容などをお伝えしました。

授業の前には給食もいただきました。

5年1組にいたミシシッピアカミミガメを見て…

飼育の仕方などを伝えました。
さて、授業開始です。
小学5年生2クラスをそれぞれ1時限(45分)ずつ、講師は小菅、小林、庭野の3名がそれぞれ行いました。

まずはカメのからだに関するクイズを小菅、小林それぞれ1問ずつ出しました。
どちらもカメの最大の特徴である甲羅と、その骨に関するクイズでした。
Q1カメの肩甲骨(けんこうこつ)ってどこにある?
自分の肩甲骨や背骨、肋骨(ろっこつ)を触りながら考えてもらいました。
Q2カメが甲羅に頭をひっこめている時、首の骨はどうなってる?

実際のカメの骨、甲羅をみながら皆さんに正解を予想してもらいました。

この電子黒板にパソコン内の画像を出力して授業を進めました。
カメについての話を伝えた後、外来種について児童の皆さんにも考えてもらいました。
ペットとして飼われていたさまざまな動物が野外に放逐された結果、さまざまな問題が起こっています。

日本の野外で見つかっている外来種(カメ)について解説中。
生物多様性についての説明や、研究を紹介したり。熱心に記録をする先生方の姿が印象的でした。

児童のみなさんにもできることは何でしょう?

カメのオスメスの見分け方は?
1組、2組にいるカメたちがオスなのか、メスなのか、これで見分けられますね。

1組にいたミシシッピアカミミガメ

2組にいたミシシッピチズガメ

この授業でわかったこと、感想などを書いてもらいました。ちょっと難しい内容だったかな?と思いましたが、皆さんいろいろと考えてくれたようです。

カメが成長するとかなり大きくなるので驚いた、といったことや教室のカメの雌雄が分かったこと、外来生物が日本にもともといる生き物に影響を与えていること、などについて書いてくれた子が多かったです。
今回、小学校でので出張授業が実現したきっかけはこの小学校の先生である長濱先生が、2010年の5月に都内多摩川支流で行ったアースウォッチ・ジャパン国内プロジェクトに参加してくださったことでした(*調査の様子は
こちらです)。5月とはいえ、天候がよく非常に暑い日でしたが、罠かけなどを行っていただきました。先生の熱意もあり、今回このような授業を実現することができました。足立区中川東小学校の先生方、5年生の皆さん、どうもありがとうございました。これからも教室のカメたちをかわいがってくださいね。