NPO法人カメネットワークジャパン スタッフブログ/カメら目線

カメネットワークジャパンの活動など、カメ(とカメにかかわる人たち)の目線でいろいろお伝えします。

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8/21~8/22武蔵野の淡水ガメ 調査の様子

8/21~8/22にアースウォッチ・ジャパンの国内プロジェクト、『武蔵野の淡水ガメ(旧多摩川の淡水ガメ)』が行われました。

6月に引き続き、都市部の水辺における外来種の侵攻と日本固有種の現状を探ることを目的に、東京都練馬区の石神井公園内の三宝寺池で調査を行いました。

本調査地を含む武蔵野地域の水辺では、これまでも行政やNPO法人によってカメ類の調査や試験駆除が行われてきました。本プロジェクトはその一環として位置づけられ、カメ類と他の生物の関係性を探り、多様な生物を維持する環境や在来カメ類の保全を目指した提案を目的とするものです。

河川と違って本調査地のような池では、生息する生き物たちが他所に移動ができず高密度に生息しているため、在来種に対する外来種の影響が見えやすいと言えます。そのため外来種を駆除していった効果も表れやすいと考えられます。今後河川で外来種の影響を調べていく際のモデルケースとなることが考えられます。


今回の調査も、2007年より外来生物の駆除などの活動を行っている認定NPO法人生態工房さんにご協力いただきました。
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公園来訪者の方に見てもらうために作られた生態工房さんのポスター。外来種についてわかりやすく説明されています。
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公園内に設置している看板。ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)、カミツキガメについても書かれています。

調査の手順は下記の通りです。
1日目:捕獲用のかごをボートやフローターを用いて仕掛けていきます。
2日目:1日目に仕掛けた捕獲用のかごを回収し、捕獲場所、捕獲数、種構成、雌雄比、体サイズ構成などの測定・記録を行い、外来種は池へ戻さず、在来種だけを元いた場所へ返します。

それでは実際の調査の様子をお伝えします。
初日8/21は、アースウォッチ・ジャパンのボランティアの方が5名、スタッフ4名で調査を行いました。
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自己紹介のあと、調査概要、本調査地での留意点などをお伝えし、実際の作業に入りました。
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池の中を移動するため、ボートに乗り込みます。
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捕獲用のかごをボートに乗りながら組み立て、仕掛けていきます。
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捕獲用のかごはこのようにタライに入れ、船でけん引していきます。

途中、池の中に浮かぶ島へ上陸。通常、一般の人は入ることができません。朽ちた植物が堆積してできた島であるため、島内には木道が設置されています。この夏は晴天が続いたためなのか、6月に比べると植物が繁茂し、土がかなり乾燥していました。
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この日も午前中から30℃を超えていましたが、浮島に上陸すると風が心地よく感じられました。
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お昼をはさんで、カメに関するレクチャーが行われました。
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本物のカメの甲羅(手にしているのはカミツキガメのもの)を見ながら、カメの体の構造などを説明中。
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首をひっこめているとき、首の骨はどんなふうに折りたたまれるのでしょう?
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こんどは頭の骨を観察中。
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さて、カメの脳はどこにあるのでしょうか?
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こんなふうに、研究者と直接話ができるのが、アースウォッチ・ジャパンのプロジェクトの魅力なようです。研究者自身も、これまで当たり前と思っている事柄についてまだ研究できていないことに気づかされることが多いようです。
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捕獲用のかごを仕掛けた場所を記録しつつ…
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浮島の周りを中心に仕掛けていきました。
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午後には予定していたすべての捕獲用のかごを仕掛け終えました。

2日目は1日目に引き続き参加してくれた方が2名と、6月に参加してくれた方が1名、ということで、自己紹介の後、早速捕獲用のかごを回収することとなりました。
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午前中には30個近くあったすべてのかごを回収できました。
午後からは捕獲したカメの種類、雌雄比、体サイズ構成などの測定・記録を行いました。
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2人ひと組で、スタッフが測定を行い、ボランティアの方に記録をお願いしました。
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測定に使う道具はこちら。他に体重を測る器具もあります。
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このクサガメは黒化していますね。オスですね。
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ノギスを甲羅にあてて背甲長を測定中。
甲羅のどの部分を測定するのかは、カメネットワークジャパン公式サイトのこちらのページをご覧ください。

背甲長・背甲幅・腹甲長・体重などを測定していきますが、どうしてそのような測定作業が必要なのでしょうか。一般にカメ類は寿命が長いため繁殖が不可能な状況であっても成体だけが存在している集団もあると想定されます。カメが生息する環境の保全を考える上では、現時点でカメがいると記録することも必要ですが、注目すべきポイントは、カメが集団として、今後も存続できるか否かという点です。
そこで、測定値より齢構成や背甲長分布などを解析することが重要です。

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測定した値だけでなく、その個体の特徴(キズなど)も記録していきます。
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個体識別番号も大切な情報です。
6月の調査で捕獲された個体が今回も多数再捕獲されました。そのうち、頭部に傷を負った個体がいました(釣り針によるもの?)。この個体は6月から8月の間に傷を負ったことが分かります。
個体識別をしておくことで長期間その個体の状態を記録していくことができます。
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体重などすべての測定を終えた個体は、このように写真で記録しておきます。

この2日間で捕獲されたカメ類は
・クサガメ51個体
・ニホンイシガメ2個体
・ミシシッピアカミミガメ5個体
・スッポン3個体 
・ミナミイシガメ1個体
・ミナミイシガメとクサガメの雑種1個体
合計63個体でした。
このうち、少なくともミシシッピアカミミガメ、ミナミイシガメは、人間によって持ち込まれた外来種です。
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左からクサガメ、ミナミイシガメ、ミナミイシガメとクサガメの雑種です。
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ミナミイシガメとクサガメの雑種
本調査地は住宅街に囲まれており、地域住民のレクレーションの場として活用されるなど、訪れる人が多い場所です。人口も多く、水辺へのアプローチが容易なため、飼育動物(ペット)が遺棄されやすい環境といえます。
今回見つかったミナミイシガメとクサガメの雑種のように、外来種の遺棄は日本の在来種と交雑することで、純粋な在来種がいなくなってしまうなどの事態を招きかねません。

この2日間で捕獲されたカメ類は、6月と同様ミシシッピアカミミガメが非常に少ないという結果となりました。2007年から行われてきた外来種をのぞいていくという地道な調査・研究活動によって、外来種の割合を減少できたことは、今後、本来この池に生息していた在来種の生息が回復するきっかけとして期待が持てる成果であると考えられます。

今後も調査を行うことで、在来種が回復していく裏付けであるデータを蓄積していき、水辺に暮らす多様な生物を維持する環境や、在来カメ類の保全を目指した提案をしていきたいと思います。
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*本ブログ記事制作・公開にあたって、参加者の皆様から写真掲載の了承をいただいおります。ご協力いただき、ありがとうございました。



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