記事は
こちら在来種が姿消し ヒシかみ切られ
再生へ『抜本的対策を』
小松市の木場潟で、外来種のミシシッピアカミミガメが増え、関係者が頭を抱えている。地元の環境保護団体が定着を目指す水生植物の根がかみ切られるなどの被害も発生。在来種が見られなくなるなど生態系への影響も懸念されるが、当のカメたちは、何食わぬ顔で“ひなたぼっこ”を決め込んでいる。(斎藤雄介)
ミシシッピアカミミガメは、外来生物法で要注意外来生物に指定される北米原産の外来種。大きい個体で甲長約三〇センチ。一九五〇年代に日本に持ち込まれ、ペットとして全国に広まった。
いしかわ動物園(能美市)などによると、成長とともに体の色がくすみ、性格もどう猛になる。「手に負えなくなった飼い主が、やむを得ず逃がしたものが繁殖したのでは」という。
潟の浄化と生態系再生を目指し、官民が共同で取り組む「木場潟再生プロジェクト」では、三月下旬、昭和五十年代半ばを最後に潟から姿を消した水生植物ヒシの栽培が始まり、約四百五十粒の種がまかれた。
ところが、水中の根が切られ、葉だけが岸に流れ着く被害が続発。網などの仕切りの内側にミシシッピアカミミガメが入ってきているのが複数回確認された。
プロジェクトのメンバーは、「天敵がいないのか、増える一方。抜本的な対策を講じないときりがない」と肩を落とす。
在来種への影響も深刻。動物園が昨秋潟で行った魚類の採集では、クサガメやイシガメなどの在来種はまったくおらず、定置網にかかるカメはミシシッピアカミミガメばかりだった。
県などによると、ミシシッピアカミミガメは、日本の環境への適応能力も高いことから、広い地域で増殖している可能性があるという。県自然保護課は「ペットとして飼う場合は、最後まで責任を持って飼ってほしい」と話している。
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